
'06年秋のW杯予選から日本代表を率いるジョン・カーワンヘッドコーチと選手の「ロング・ジャーニー」もいよいよ最後に近づいてきた。 ここで一足早く、来年W杯初戦の先発メンバーを予想してみた。’07年から強化を継続しているのだから、メンバーを挙げるのはさほどむず かしいことではない。▶構成/森本優子
W杯スコッド表を見ていただければ、前回大会メンバーとの入れ替わりが分かる。W杯翌年の'08年春は、前キャプテンの箕内、大西ら前回
代表を残した編成になっている。一新されたのは同年秋。平島、川俣、畠山のフロントローにマイケル・リーチら若手を抜擢、主将も菊谷に交代した。現在のチー
ムの原型は、2年前に出来上がった。
1列は平島、堀江、畠山で決まりだろう。控えは川俣。2列は大野、北川、トンプソンの3人を調子を見ながら先発、
交代出場と使い分けて行くはずだ。
3列はFL菊谷、NO8ホラニは昨年から「当確」だったが、もう一人のFLはタウファ統悦に落ち着きそう。リザーブはリーチ。
HBは吉田朋生がケガで離脱している間に、田中ーアレジで定着。前大会の直前、骨折で棒に振ったアレジは、待望のW杯初出場となる。
CTBはライアンがBKの軸となっており、サントリーでもコンビを組む平とのペアは揺るぎそうにない。
WTBは遠藤、小野澤。遠藤は最近、やや精彩を欠くのが気がかり。JKはフランスのトゥーロンでウィルキンソンらとプレーするクリ
スチャン・ロアマヌを呼びたい意向だ。
混沌としているのは、ウェブに続くFBの選出。'08年以来、有賀、立川、松下、五郎丸、田邉と様々な選手を試している。BKもサイズ
と高い運動能力を重視するJKが、いまだ固定しきれていないのは、スペシャリストとしてのスキルを要求しているからか。「トップリーグでいいプレーをした選手が選ばれ
ます」と名言。後半節、もっとも注目されるポジションだ。
ロビンスはSO、CTB、FBをこなせるユーティリティとして、外せないだろう。バックアップとしてはアリシ、今村か。
スコッド40名は来年の日本選手権終了後、発表される予定だ。ロシア戦後の会見で、「新しい選手が選ばれる可能性は」と聞かれ、「サプライズ
はなかなかない」と答えたJK。すでにチームとしての共通理解が浸透しているため、まったく新しく呼ばれる可能性は少なそうだ。サプライズがあるとすれば、ロアマヌか。
会見でも「今は、日本にいないが、かつてジャパンでプレーしていた選手を呼ぶ可能性はある」と含みを持たせた。

外国人選手に関しては、10月のメンバー発表会見後の囲みで、「豊田自動織機、ヤマハ、近鉄に(3年居住を満たす)選手がいる」とチーム名を
挙げていた。前述のチームで条件を満たすのはSOマリー・ウィリアムス(織機)、LOルア・ロコツイ、CTBジェフリー・イエロメ(近鉄)、SO/CTBマレ・サウ(ヤマハ)ら。
「外国人選手は外国人選手で競ることになる」とJK。現在のメンバーにプレッシャーをかける存在としてスコッド入りする可能性はある。
現時点で、先発の15人はほぼ決まり、あとはこれまで呼ばれたメンバーの中からバックアップ選手を捜すことになる。
流動的なのは、3人目のHOだろう。W杯では専門職のHO、SHは万が一を考えて3人連れて行くのが恒例だ。3人目のSHは和田が濃厚だが、HOは松原、
青木のベテラン勢を連れて行くのか、'19年を睨み、若手の木津にするのか。
来春は、40人のスコッドがA5Nを戦い、30人に絞ったメンバーで7月日本開催の決まったPNCに臨む。8月にアウェーでイタリアと練習試合を予定。
直前に国内で行われる壮行試合はアメリカが予定されている。
W杯登録メンバーは30名(前回)、ケガ人が出たときのバックアップとして6名が帯同した。「新たな選手は、おそらく呼ばない」というJKの方針
を覆す選手の出現を待ちたい。