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サモア戦からの先発変更は9名。「これからの活動は、すべて本大会でいかにベストメンバーを揃えられるかに照準を絞ります。
ロシア戦は若手を試したい」と、JKが語っていた通りの編成である。ロシアはフランスのクラブでプレーする選手3名に加え、怪我で欠場の選手が多く、
日本の圧勝が予想されていた その通り、サモア戦の結果に危機感を抱く日本代表は、立ち上がりからクイックスローで攻めるなどロシアを圧倒した。FLリーチが、
再三スピードある突破を見せたほか、WTBトゥプアイレイが持ち前の突進力で攻撃の核となり、11トライを奪う猛攻。プレースキッカーを務めた田邉はこのうち
10ゴールを決め、最後尾から的確な指示と、思い切りのいいカウンターアタック、ライン参加も見せ、常勝・三洋電機ワイルドナイツの不動のFBとして貫禄のプ
レーぶり。「今までのラグビー人生の中で一番楽しかった」と笑顔を見せた。
JKはほっとした表情で語った。「選手は二つのプレッシャーがあったと思う。ひとつは、サモア戦で出なかった ジャパンスタイル
を取り戻すこと、もうひとつは、メンバーが変わっていたこと。結果としてミスは確かにあったが、ストラクチャーはできていた。ディフェンスも全体に関して
はよかった。早いラインの押し上げは 今後の課題になる」 菊谷キャプテンは、サモア戦で不甲斐ない戦いをしたにもかかわらず、詰めかけた6274人の観衆に
感謝の言葉を述べた。「足を運んでいただき、心から感謝しています。サモア戦ではラック周辺での約束事など、春はしっかりしていたことが曖昧になっていま
した。そこを一週間でしっかりと確認できた。プレッシャーのかかる試合でしたが、若手で勝つことができたのは大きいです」 菊谷キャプテンは、サモア戦で
不甲斐ない戦いをしたにもかかわらず、詰めかけた6274人の観衆に感謝の言葉を述べた。「足を運んでいただき、心から感謝しています。サモア戦ではラック周辺
での約束事など、春はしっかりしていたことが曖昧になっていました。そこを一週間でしっかりと確認できた。プレッシャーのかかる試合でしたが、若手で勝つこ
とができたのは大きいです」
ロシア戦生中継したジェイスポーツのゲスト解説は、福岡サニックスブルースの藤井雄一郎監督だった。「走り勝つ」サニックスを率いる
闘将は、サモア戦の後半に足が止まった日本選手を評し、こう話した。「トップリーグでいつも前に出ている選手が多いから、コンタクトで後ろに下げられるのに
慣れていないんだと思います」国内試合では楽に前進できる選手がコンタクトで劣勢になると、鍛えていない筋肉を使うので後半バテる、という見解だ。


外国人選手が多いといえども、当たりの強い選手は少なく、現日本代表が世界の強豪に対してコンタクトで優位にたつことは難しい。
それは日本ラグビーが抱える永遠の課題であり、だからこそ日本代表は素早く動き回る道を選んできた。極力コンタクトを減らさなければ、80分、高いパフォー
マンスを維持できないからである。 サモアがベストメンバーでなかったからこそ、日本の弱みは明らかになった。日本ラグビーの宿命を肝に銘じて、W杯イヤー
を歩んでもらいたい。