


流経大は得意のFW戦に持ち込み、流れをつかむ 大学選手権11回目の挑戦にして初めて勝利をもぎ取った

劇的な逆転勝利だった。
流経大は前半、筑波大の鋭いタックルでBKを封じられ、自陣に釘付けとなった。さらにフラストレーションが溜まると、FWの要NO8イシレリがシンビンに。 前半は筑波大が試合を支配した。
後半に入ると、流経大はラインアウトモールからの突破ただ1点に攻撃の的を絞り、ひたすら繰り返した。強みであるFWを信じて、ボールを前へ。徐々にペースを つかんだ。”らしさ”を取り戻すと、7分、20分と確実にスコアを重ねる。34分、筑波大の反則から得たキックからラインアウトモールで攻め込む。NO8イシヘリの突 進に後ろから走り込んできたHO池野が味方の後押しを得て、相手ディフェンスごと押し込み逆転トライ。試合終了直前にはゴール前まで攻め込まれるが、度重なる密集 を必死に守る。グラウンディング寸前でトライを阻止 し、まもなく試合終了の笛が吹かれた。
11回目の挑戦にして、始めての大学選手権勝利。「歴史を塗り替えたい」と息込んだPR山崎主将は、内山達二監督と抱き合って喜びを爆発させた。 リーグ戦では、圧倒的な強さを誇るFWを筆頭に、変幻自在のハーフ団、当たり負けないBKで 試合を支配してきた流経大だが、選手権初勝利に対するプレッシャーからか前半は緊張でプレーが固くなり、本来のスタイルが出せなかった。「ハーフタイムに『俺たちの力は、こんな もんじゃない』と奮起した」(SO宮脇副将)。後半は自分たちの強み=FWをひたすら信じることで、待ちに待った悲願を達成した。
文▶川島優子