regular season review
早大×明大

いつも、どこでも、全力である。

そんな毎週末が続き、各大学リーグの戦いは進む。そして冬の訪れとともにレギュラーシーズン終了。 ラストウィークの試合は、いつも以上に力が入る。最後を締めくくるのは、いつも早明戦だ。

決意はファーストプレーに表れた。「思いっきり、やるしかない」。キックオフ直後。地鳴りのように響く明治コールの中、早大のFB井口剛志が自陣でキックを捕球した。 もう横には逃げない、と心に決めていた。カットインして明大の防御を突き破る。満員に埋まった国立競技場。激しい早明戦の始まりを告げるのにふさわしい、真っ向勝負の カウンターだった。

明大の復調で盛り上がった今季の対抗戦。その優勝が決まる大一番に向けた両校の準備は、対照的に映った。

早大×明大

SO山中亮平は効果的なハイパントで陣地を稼ぎ、トリッキーなノールックパスで魅せた。

早大はどこか淡々としていた。早慶戦で10年ぶりの敗戦を喫し、悲壮感にあふれていると思いきや、普段どおりの準備に終始した。「早慶戦で激しい試合をしたので少し練習の量を落とした」とは、WTBの中濱寛造。目に見えて変わったのは、グラウンド脇のロッカールームの前に「緊張」と書かれた紙が貼られたことくらい。「ディフェンスが大事になる。どんな時も、早稲田らしくあってほしい」。相手ではなく、あくまで自分たちに目を向ける。辻高志監督の言葉には、そんな思いが込められているようだった。